20100420

稽古場の無数の傷について

ミュージカル劇団のパンフレット撮影に行ってきました。
大阪・八尾「ショーカンパニー」の稽古場。
ぼくが初めてショーカンパニーを訪れたのは1999年のこと。今から12年も前のことです。
その頃ぼくは写真学校に通っていて、生まれて初めて写真撮影をオファーしていただいたのがショーカンパニーの撮影でした。言ってみればプロとしての第一歩の場所。それがこの稽古場です。
劇団員の人たちは自分たちの世界観を伝えるために舞台に立ちます。多くの稽古の時間を経て自分を追い詰めて。
お金のためではなく、ただ気持ちを伝えるために。ぼくはそのことにココロを打たれます。ぐいぐい引き付けられます。だから気がつけば役者さんの息遣いを感じる1メートルに満たない距離でカメラを構えています。
ショーカンパニーの稽古場。ここの床には数え切れないほどの傷があります。役者が動いて出来た傷。大道具・小道具を動かして出来た傷。ひとつひとつの傷は劇団の歴史でもあります。薄くなった緑色の床は何百人という役者さんの汗や笑いや悔し涙を受け入れてきました。
そんな床に立ってぼくは今日もカメラマンとして生きています。
そのことに感謝します。
カワタヨウスケ
劇団ショーカンパニーのホームページはこちらから